コンプライアンス

考え方・方針

トップメッセージ

当社グループでは、コンプライアンスに関する同じ規範に基づき行動することが、グループ全体の事業活動が高い透明性と倫理観をもって行われるために必須の条件であると考え、以下のトップメッセージをすべての役員・社員(期間嘱託社員、派遣社員、パート、アルバイトおよび実習生等を含む)に発信しています。

ナブテスコグループの役員・社員の皆さんへ

コンプライアンスは、事業活動を通じて企業理念を実現するために欠かせない基盤であると同時に、今日のグローバル化したビジネス環境においては、顧客からビジネスパートナーとして選ばれるための最も重要な前提条件の一つであることは、疑う余地がありません。

「ナブテスコグループ倫理規範」は、2016年12月に制定・施行され、2022年4月1日付で改定されました。このハンドブックは、皆さんの日々の事業活動においてコンプライアンスの視点から疑問を感じ、指針が必要なときの手助けとなるよう、改定「ナブテスコグループ倫理規範」の内容を説明するものです。
なにか不明なことがあるときは、このハンドブックを参照し、どう行動すべきか確認してください。また、この倫理規範に照らし、問題(またはその可能性)に気づいた場合は、上司、内部通報窓口などに速やかに相談・報告してください。
目標達成や新規ビジネス獲得のプレッシャー、または上司からの不当な指示によって、それらの行動をためらうことがあってはなりません。ナブテスコグループでは、コンプライアンス違反と引き換えに得られる利益は認められません。

ステークホルダーからの信頼は、獲得するのが困難である一方、失うのはとても簡単です。たった一件のコンプライアンス違反が、名門と言われるさまざまな企業の経営を危機に陥れています。
ナブテスコグループの事業活動を支えているのは、私たち一人ひとりの高い倫理観と透明性に基づく行動であるということを常に肝に銘じてください。
私は、最高経営責任者として、また、ナブテスコグループのコンプライアンス委員会の委員長として、皆さんがそのような行動をとるための必要なサポートを惜しみません。 新しい価値の創造に向けてチャレンジし続けるグローバルカンパニーであるナブテスコグループで働くことは、私たちの誇りです。
この倫理規範に基づく行動を積み重ねることで、未来の「欲しい」に挑戦し続けるイノベーションリーダーを目指すグローバルカンパニーとしてのチャレンジを、より確かなものにしていきましょう。

代表取締役社長・最高経営責任者(CEO)
コンプライアンス委員会委員長

木村 和正

コンプライアンスの考え方

当社グループでは、コンプライアンスを「法令および社内規程(マニュアル、ガイドラインその他運用ルールを含む。)の遵守にとどまらず、社会倫理・社会規範に基づいて行動することを通じ、ステークホルダー(お客さま、社員、取引先、株主、地域社会)の要請に応えること」と定義しています。
コンプライアンスは、事業活動を通じて企業理念を実現するために不可欠であり、グローバルなビジネス環境においてビジネスパートナーとして選ばれる前提条件であるとの理解に基づき、コンプライアンス経営の推進・強化を最優先課題として取り組んでいます。

ナブテスコグループ倫理規範・ナブテスコグループ倫理規範ハンドブック

当社グループは、「ナブテスコグループ倫理規範」を制定しています。

主管部門である法務・コンプライアンス部が中心となり、グループの中長期的な企業価値の向上を目指して、法規制の遵守はもとより、より高い水準のコンプライアンス意識の醸成を進めています。「ナブテスコグループ倫理規範」は、事業活動において企業理念を実現するために、役員および社員一人ひとりが、コンプライアンスの観点からどのように行動すべきかを定めています。
本倫理規範は、年に一回その有効性について確認をしています。2022年4月、昨今の法令改正、グローバルな事業環境や情勢の変化および「ビジネスと人権」に関する行動計画に対応するものとするべく改定しました。

本倫理規範について、役員および社員全員がより理解を深め、具体的な行動に移すためのガイドとして「ナブテスコグループ倫理規範 コンプライアンスハンドブック」を各国語版で作成し、国内外におけるコンプライアンス教育・周知活動に活用しています。

ナブテスコグループ倫理規範

ナブテスコグループ倫理規範は、事業活動において企業理念を実現するため、ナブテスコグループの一人ひとりがコンプライアンス※の観点から、どのように行動すべきかを定めています。

コンプライアンスとは、法令および社内規程(マニュアル、ガイドラインその他運用ルールを含む。)の遵守にとどまらず、社会倫理・社会規範に基づいて行動することを通じ、ステークホルダー(お客さま、社員、取引先、株主、地域社会)の要請に応えることを意味します。

体制

コンプライアンス体制

当社グループでは、「内部統制システム構築の基本方針」に基づき「グループコンプライアンス推進体制規程」を定めています。コンプライアンス体制に係る基本方針や重要事項等を審議することを目的として、グループコンプライアンスの最終責任者であるCEOを委員長とし外部有識者も参加する「コンプライアンス委員会」を取締役会の諮問機関として設置し、コンプライアンス体制の整備・強化および活動結果を報告しています。

これに加え、グループ全体のコンプライアンス体制を強化するため、各コーポレート部門・カンパニーおよび国内外の全グループ会社に「コンプライアンス責任者」とそれを補佐する「コンプライアンス実務責任者」を任命しています。この体制は、すべての役員・社員(期間嘱託社員、派遣社員、パート、アルバイトおよび実習生等を含む)に対する指導、啓発、研修等を通してグループ全体で「ナブテスコグループ倫理規範」の理解と遵守を促進しています。「コンプライアンス責任者」および「コンプライアンス実務責任者」がコンプライアンスに関する情報共有・意見交換を行う、「コンプライアンス連絡会議」を国内および当社が事業展開する海外全地域(中国・アジア・北米・欧州)で開催しています。

さらに、中国の上海納博特斯克管理有限公司、欧州地域の統括会社であるドイツのNabtesco Europe GmbHには、それぞれ現地の社内弁護士が在籍し、本社法務・コンプライアンス部と緊密に連携することで、グローバルな法務・コンプライアンス体制を整備しています。

コンプライアンス体制の運用状況については、定期的にコンプライアンス委員会や取締役会に報告しています。

コンプライアンス体制図

取り組み

内部通報制度

当社グループはコンプライアンス活動の一環として、内部通報制度を整備しています。

国内においては、贈収賄、カルテルおよびハラスメント(いじめを含む)など、不正行為の未然防止、早期発見および是正のために、内部通報制度(ナブテスコほっとライン)を導入し、社内窓口(法務・コンプライアンス部)および社外窓口(弁護士事務所および専門会社)を設置しています。本制度は、日本国内におけるナブテスコグループすべての役員、社員(期間嘱託社員、派遣社員、パート、アルバイトおよび実習生を含む。)および「ナブテスコほっとライン」への通報および相談を行った日から1年以内に社員であった者が利用できます。

また、本制度を社員に周知するため、同制度について社員向けポータルサイトや社内報・「コンプライアンス通信」に掲載するとともに、ポスターやカードの配布を行っております。

2022年度は、本制度を利用して、嫌疑なしのものを含め36件の内部通報相談が寄せられました。内容別では、「ハラスメント」に関するものが14件、「人事・労務管理」に関するものが12件、「不正・法令違反」に関するものが4件でした(いずれも通報者の相談内容に照らした分類による集計であり、不正行為が実際に認められた件数ではありません)。それぞれの相談案件に対し、事実調査を行った上で適切に対処しております。また、内部通報制度の運用状況は、定期的にコンプライアンス委員会に報告しています。

海外においては、中国、欧州、北米、東南・南アジアの各グループ会社から内部通報を受け付けるための仕組みを導入し、拠点を持つ全てのエリアで運用しております。

なお、内部通報相談者のプライバシーは保護され、かつ不利益な取扱いを被ることのない仕組みになっています。

国内内部通報制度(ナブテスコほっとライン)

メール・書面は、24時間365日通報可能

グローバル内部通報制度(グローバルホットライン)

24時間365日通報可能

取引先ホットライン

当社グループは、お取引先の皆さまとの取引における透明性および公平性を確保し、持続的発展を図ることを目的として 「取引先ホットライン」 を設置しております。

当社グループの組織または個人による不正行為、またはそのおそれのある行為などについてお気付きになられた場合にお知らせいただくことで、問題の未然防止または是正を図ってまいります。

コンプライアンス教育

当社グループは、役員・社員(期間嘱託社員、派遣社員、パート、アルバイトおよび実習生等を含む)のコンプライアンス意識を醸成するために、階層別およびテーマ別に、集合研修やeラーニングなどの方法を用いて、毎年様々なコンプライアンス教育を対象社員全員に対して実施しています。

国内では、インサイダー取引防止、贈賄防止、独禁法、下請法、安全保障貿易管理、ハラスメント防止などの教育を実施しています。海外では、当社グループが拠点を有する国・地域(中国・アジア・欧州・北米)において、各国の言語で、ナブテスコグループ倫理規範、贈賄/カルテル/不正会計防止、内部通報制度の理解・浸透を目的としたコンプライアンス教育を行っています。

各種コンプライアンス研修実績(2022年度)

研修名 実施地域 受講者数/受講者割合
コンプライアンス研修(倫理規範・ハラスメント防止・ソーシャルメディアの私的利用) 国内 6,084名/91.8%
コンプライアンス関連ガイドライン(社内交際費ガイドライン、SNSなど) (企業倫理月間) 国内 2,272名/95.2%
コンプライアンス全般(倫理規範、贈賄/カルテル/不正会計防止、内部通報制度) 海外 647名/99.8%

コンプライアンスミーティング

コンプライアンスに関する社員の意識を高めるため、年1回、各職場でコンプライアンスに関するテーマについて自由に討議するコンプライアンスミーティングを行っています。

コンプライアンス意識調査

毎年10月を企業倫理月間と定め、CEOによるコンプライアンスメッセージ動画配信を行うとともに、コンプライアンス意識の浸透度を確認するためにコンプライアンス意識調査を実施しています。

役員への研修

例年、社内取締役、執行役員、上級管理職向けにコンプライアンス研修を実施しています。
2022年度は、外部講師を招き、「企業倫理 ~品質不正事例から学ぶ企業倫理・組織風土の在り方~」をテーマに研修を実施しました。

情報発信・啓発活動

ナブテスコグループ企業倫理月間

毎年10月を「ナブテスコグループ企業倫理月間」と定め、経営トップのリーダーシップのもと、グループ会社全社において各職場におけるコンプライアンス意識向上の活動を展開しています。

2022年度は、コンプライアンスの重要性を改めて強く伝えるべくCEOによるコンプライアンスメッセージ動画を国内・海外(計11言語作成)のナブテスコグループ全役員・社員(期間嘱託社員、派遣社員、パート、アルバイトおよび実習生等を含む)に配信しました。併せてグループ会社社長・社内カンパニー長等のコンプライアンスメッセージも配信しました。

その他の活動

コンプライアンス意識の啓発に向けて、紙媒体に加えてイントラネットも活用し、情報発信等を行いました。

主な活動事例
  • 「コンプライアンス通信」の発行(日本版毎月発行、中国・タイ版隔月発行)
  • コンプライアンスに関する事例集、ガイドラインの発行

腐敗防止に関する取り組み

贈賄防止基本方針

当社グループでは、贈賄リスクの排除をコンプライアンス上極めて重要な一分野として捉え、「ナブテスコグループグローバル贈賄防止基本方針」を制定しています。本基本方針は、適用対象を国内外のすべてのグループ会社とし、ファシリテーションペイメントを含む贈賄行為の禁止を明確に規定するとともに、接待・贈答等の社内規程およびガイドラインを定めることや、贈賄リスクのある第三者を起用しないこと等を規定しています。また、CEOメッセージとともにコーポレートサイト上で各国語版を公開しています。

また、本基本方針に基づき、全グループ会社において、贈収賄防止に係る社内規程およびガイドラインを整備しております。

腐敗防止体制

国内外のすべてのグループ会社は、贈賄防止に関する社内規程に違反する事実または違反するおそれがある状況を察知した場合、法務・コンプライアンス部長ならびに自らの所属する組織におけるコンプライアンス責任者およびコンプライアンス実務責任者に対し、直ちに報告し、当該報告先の指示に従って適切な対応を行うこととしています。

新規のビジネスパートナー、セールスエージェントなどの仲介業者の起用にあたっては、必要かつ適切な事前調査を行った上で、当該仲介業者が腐敗行為(贈賄・汚職など)を行い、または行うおそれがある場合は、これを起用しません。具体的には、ガイドラインに基づきカントリーリスクや公務員等との接触状況の精査等のデューデリジェンスを実施し、起用対象を選定することで、贈賄リスクの事前チェックを行っています。さらに、契約時においても贈賄防止条項を規定し、当社グループの贈賄防止基本方針について説明する等の対策を講じています。

腐敗防止活動

国内外すべてのグループ会社のコンプライアンス責任者に対し本基本方針を展開し、各社における社内規程およびガイドラインの制定やコンプライアンス教育を推進することにより、グループ横断的な贈賄防止の徹底に取り組んでいます。

特に、海外グループ会社を含むすべてのグループ会社を対象にした贈賄防止基本方針の周知活動や各グループ会社における贈賄リスクのアセスメントを、毎年実施しています。

国連グローバル・コンパクトの腐敗防止分科会や経営倫理実践研究センター(BERC)の不正調査に関する研究会に参加し、他社との意見・情報交換にも積極的に取り組んでおります。

なお、当社グループは、2003年度の会社設立以来、贈賄に関する罰金を科されたことはありません。また、2003年度以降政治献金を一切行っておりません。

2022年度は贈賄等腐敗行為に起因する社員に対する懲罰はありませんでした。

また、2022年度における腐敗に関連する罰金、罰則、和解にかかるコストは0円でした。

カルテル防止に関する取り組み

当社グループは、グローバルな競争法関連規制に対するコンプライアンスを徹底するため、「カルテル防止のための行動基準」を社内規程として制定し、同基準の中に、禁止行為、競合他社との接触ルール、法務・コンプライアンス部および業務監査部による監査権限等を盛り込みました。その後、国内外のグループ会社においても、同様の基準の制定を行いました。

当社グループでは、カルテル防止に関する研修にも注力しており、執行役員会でのカルテル防止のための研修、当社および国内外グループ会社の営業部門等を受講対象者としたカルテル防止のためのeラーニングを実施しています。

海外グループ会社を含むすべてのグループ会社を対象にした反競争慣行(独占禁止法・カルテル等)リスクのアセスメントを、毎年実施しています。