技術系人財育成

考え方・方針

技術系人財育成に関する考え方(グループ横断的な品質、PL、イノベーション創出を支える教育)

ナブテスコの製品・サービスの特性上、『安全』が最優先の価値観であり、当社の高い「技術力」と、ものづくりにおける高い「品質力」を両立させることで、社会に『安全・安心・快適』という付加価値を提供できると考えています。
また、国内外企業とのグローバルな技術開発競争がより激しくなり、技術的な課題解決や用途開発による価値創造領域の拡大として「イノベーション」が求められています。

社会に役立ち信頼される製品・サービスを提供するために、当社では「設計開発等技術者のあるべき姿」を以下のように考え、社員に基礎から専門、そして最先端の研修を実施することにより、技術系プロフェッショナル人財を育成しています。

  • 固有専門技術については、高いレベルの得意分野があり、第一人者として業務において展開していること。
  • 自分の専門分野だけでなく ものづくりに関する幅広い知識を保有していること。
  • 課題解決に求められる行動様式(コスト・安全・納期意識や問題解決手法など)を身につけており具体的に行動出来ること。
  • 技術スキルを具体的な業績に結びつける力(構想力、達成力、対人力など)を保有し それを活用して業務を推進出来ること。

体制

技術系教育・研修推進体制

専門教育をするための専門研修は、人事部と技術本部(イノベーティブエンジニアリング部、M&Mエンジニアリング部、知的財産部、品質統括部、業務管理部研修チーム)が横断的な体制を組み、実施しています。

技術系研修は、大きく2つに分かれています。
新入社員から3年間は全員が「技術系基礎研修」を受講します。その後、部門に分かれてより専門性の高い技術を学ぶとともに、全社横断的な技術を学ぶことによりイノベーションにつなげる「技術系専門研修」を実施しています。

技術系教育体系図

技術系基礎研修
  • 技術者としての基礎知識を再確認するとともに、理論と実際の違いを認識する。
  • 自分の専門分野だけではなく広い基礎知識を習得することで、システム化製品の設計・開発を目指す。
図
  • PWM:Pulse Width Modulation
技術系専門研修
  • 自カンパニー製品への新技術を習得する。
  • 全社横断的な技術を学ぶことでカンパニー間のシナジー効果を出す。
  • 製品への新技術適用だけでなく、新製品の創出に繋げる。
図
  • PWM:Pulse Width Modulation
  • MBD:Model Based Development
  • CAE:Computer Aided Engineering
  • CFD:Computational Fluid Dynamics

取り組み

全社教育(専門研修)取り組み

若手技術者を対象とする品質管理研修

次世代を担う若手から中堅設計技術者を中心に、中長期的な人財育成の観点から高い品質感性を持った技術者の育成を目的とする企業内品質管理研修プログラムを、2007年から継続開催しています。

【品質管理研修(若手社員への品質研修)】プラモデル自動車の機能性評価

【品質管理研修(若手社員への品質研修)】プラモデル自動車の機能性評価

製造物責任と製品安全に関する専門研修

製品を購入されるお客さまだけでなく、製品を利用される皆さまの『安全・安心・快適』を実現していくため、製品を通した責任を設計・製造・営業・サービスに関わる社員一人ひとりが自覚し、行動することを目的とするグループ横断的な研修会を、2007年より継続開催しています。

【PL(製造物責任)・PS(製品安全)塾】製品事故事例を通してPL法理およびPL管理活動の重要性を理解する

【PL(製造物責任)・PS(製品安全)塾】製品事故事例を通してPL法理およびPL管理活動の重要性を理解する

当社が関係する業界における過去の失敗事例を学び、安全・安心・快適を提供するためにメーカー組織・社員・技術者としてのあるべき姿とそれに近づくための心構えを、若手の段階から心に刻む研修を行っています。

【メーカー倫理研修】過去の失敗からメーカーの責任を考える

【メーカー倫理研修】過去の失敗からメーカーの責任を考える

CAE解析に関する各種研修

製品開発において試作・試験回数を低減するためには、MBD(モデルベース開発)という概念に基づき、製品の形状や仕様を仮想空間内で検討できるCAE解析(デジタルツイン)の活用が欠かせず、更にはイノベーション製品創出においても、発想アイデアを事前にシミュレートすることで、高度なアイデア実現につなげようとしています。
当社では、専門部隊だけでなく設計者自身もCAE解析に取り組めるよう独自のカリキュラムを作成し、教育を実施しています。新入社員の研修でもFEM(構造解析)と1DCAE(システム解析)の演習を必修科目としており、効率的な設計開発が出来る人財の育成に貢献しています。

また、専門教育についてはFEMの知識を深堀する講習会や流体解析の他、1DCAE研修で開発課題の解決、更にはCAE解析にデータサイエンスを活用するための研修などを充実させ、多面的な見方のできる人財を育成しています。

【新入社員 FEM 1DCAE研修】演習の様子

【新入社員 FEM 1DCAE研修】演習の様子

アイデア創造入門研修(ナブテスコ流TRIZ(発明発想)手法)

当社では、ナブテスコグループの持続的成長による企業価値向上を図るため、事業競争力の源泉である現在及び未来の「コア価値(知財・無形資産)」の競争優位を担保する知的財産経営戦略を推進しています。

この知的財産経営戦略で最も重要な活動は、市場の動向や顧客のニーズを先取りしたコア価値を創造し、戦略的な知的財産権の獲得等を行うことです。

当社では、コア価値の創造力を加速するために、「TRIZ(発明発想手法)」を活用したアイデア創造入門研修を2010年から継続的に開催しています。この研修では、新製品・サービスや現製品・サービスに関する新たなアイデアを創出する手法を、Web会議も活用しながら具体的な事例をもとにしたワークショップ方式で体得していきます。この研修で修得した効率的な創造手法を活かし、新事業、新製品・サービス等を創出できるアイデア創造リーダーの育成に取り組んでいます。

アイデア創造入門研修

アイデア創造入門研修

ソフトウェア設計品質向上研修

当社製品におけるソフトウェア技術への重要性の高まりを受け、設計品質の作り込みや信頼性実証の十分な実施を目的とする各種研修を2013年から開催しています。

ソフトウェア開発プロセスの流れに沿って、要求分析、ソフトウェア設計、ソフトウェア検証という3つのプロセス段階での研修を開催しています。

また、モーションコントロールの高度化に対応すべく、2017年から新たにモデルベース開発手法(MBD)に関する研修を開催し、さらなるソフト設計品質の向上に取り組んでいます。

さらに、2021年には、CBM(Condition Based Maintenance)の要求に対応すべく、機器の計測データからAIにより故障の兆しを捉えたり、寿命を予測する予知保全に関する研修を開催し、さらなる製品の付加価値向上に取り組んでいます。

モデルベース開発基礎研修

モデルベース開発基礎研修

製造品質管理者研修

多文化コミュニケーション研修

海外拠点での製品品質に関わる組織力を高めるため、海外への派遣者や海外拠点との窓口業務を行う担当者に対して、海外の品質の考え方や管理実務の進め方など国内と異なる文化面を伝えるとともに、どのようにして指示や進捗確認を行えばよいのかなどの具体的な業務の進め方について、理解を進める研修を行っています。

【多文化コミュニケーション研修】海外派遣者品質管理

【多文化コミュニケーション研修】海外派遣者品質管理